"I see a red bird looking at me."
幼児向けクラスの教材、侮るなかれ

 これは、オンライン英会話ですでに膨大な数のキッズ向けレッスンを行っているQQイングリッシュが、今年の夏のキッズキャンプのために準備しているグループレッスンの教材だ。

フィリピン・セブ島のQQイングリッシュのキッズキャンプで、4~6歳向けクラスで使用するテキストの一部(筆者撮影)フィリピン・セブ島のQQイングリッシュのキッズキャンプで、4~6歳向けクラスで使用するテキストの一部(筆者撮影) 拡大画像表示

 4-6歳のクラスで使うテキストの1ページ。絵本、歌ともリンクをしている。さまざまな色をした動物が次々に出てきて、自然に色の名前と動物の名前を覚えられる仕組みになっている。クイズ形式での問いかけもあるので、グループで行うことで、ちょっとした競争心も生まれて盛り上がるだろう。

 その上で、画面の短いセンテンスを見てほしい。"I see a red bird looking at me." 文法的に分解するとちょっと複雑で、日本人が意外とスラスラは出てこない文章だ。学校の授業で「分詞」や「知覚動詞」といった言葉を知ってしまう前に、子どもたちはネイティブの(ここではあえて、フィリピン人をネイティブと呼ぶ)発音とリズムでこの文を聞き、素直に真似をする。

 また、このセンテンスには日本人が大の苦手とするRの発音があるのだが、子どもはそんなことは知らない。そのまま聞いたとおりに真似することで、大人が聞きほれるようなRの発音をする。真似しやすいよう、先生たちは少し声の質を子どもに合わせて高い音でゆっくり話すなどの工夫をしていると話してくれた。

実際にグループのクラスを担当する先生。オンラインでもキッズを教える経験を積み、子どもが発言しやすいように場の雰囲気を作るのがうまい実際にグループのクラスを担当する先生。オンラインでもキッズを教える経験を積み、子どもが発言しやすいように場の雰囲気を作るのがうまい(筆者撮影)

 4~6歳児対象のこのレッスン。6歳児になりきるのは相当に無理があったが、大人の頭のままで参加しても、びっくりするほど楽しかった。色や動物といった出てくる英単語は知っていても、文章のリズムや子どもだからこその自然な言い回しなど、改めて学ぶことがある。各国の子どもたちの扱いに慣れ、場を盛り上げることに長けた講師と共にプログラムを進めていく体験は一体感があった。

 すこし深堀りをしてレッスンの方針について聞くと、英語「を」学ぶ段階にないキッズに対しては、音楽やお絵描きなどを上手に取り入れて、他の何かに熱中する中で英語に触れる機会を設けているという。