加速する就職活動の早期化の流れ
25年卒は就活にどう向き合ったか?
前年から引き続き、企業の採用意欲は健在です。
リクルートワークス研究所が実施した「ワークス大卒求人倍率調査」によると、2025年3月卒業予定の大学生・大学院生対象の大卒求人倍率は1.75倍と、前年より0.04ポイント上がりました。労働人口の減少が待ったなしの状況の中、新卒採用は多くの企業にとって、事業継続・成長のために欠かせない活動になっていると考えられます。
従業員の規模別に見ると、従業員規模により求人倍率の傾向に差があります。1000人以上の企業群では求人倍率が前年同等もしくは微減となる一方で、999人以下の企業群では前年増となっています。特に300~999人の企業群では、比較可能な2010年卒以降で最も高い1.60倍となりました。中小および中堅企業において、人材不足が深刻な課題となっていることがわかります。
また、流通業、金融業、建設業、製造業、サービス・情報業という5分類の業種別に見ても、求人倍率や前年比の傾向に差があります。そのうち、大卒求人倍率が最も高いのは流通業で、前年より大幅に上がり16.21倍になっています。建設業は前年からは下がったものの、9.35倍と依然として高い数字を維持しております。一方で、製造業は2.07倍、サービス・情報業は0.36倍、金融業は0.23倍で、いずれも微増もしくは前年同等にとどまっています。
次に、内々定・内定出しの開始時期を見ていきましょう。
当研究所の調査である『就職白書2024』では、新卒採用実施または実施予定企業に、25年卒の採用計画として「内々定・内定出し開始予定時期」を聞いています。
卒業年次前年の2月までに開始する企業は、2024年卒では18.9%だったのに対し、2025年卒では31.7%と高くなっています。また、5月まででは24年卒が77.4%、2025年卒が82.9%という結果になりました。内々定・内定出しの前倒し傾向は高まっているといえるでしょう(24年卒は実施実績、25年卒は実施予定の数値)。