大学生の就職内定率の時期別推移からも、年々早期の内定が増加していることが読み取れます。25年卒学生を対象にした「就職プロセス調査」では、2024年7月1日時点の大学生の就職内定率は88.0%と、9割に迫る高い水準となりました。現行の就活スケジュールとなった2017年卒以降の7月1日時点で最も高く、採用選考解禁とされる6月1日時点の内定率も82.4%と17年卒以降でもっとも高く、内定出しの早期化が加速していることが読み取れます。

 では、入社予定企業等からの内定取得時期はどうなっているのでしょう。就職活動を終えた24年卒学生への振り返り調査を見ていくと、最初に内定を取得した時期は「卒業年次前年3月」が最多の14.4%となっていますが、入社予定企業等からの内定取得時期は「卒業年次6月」が18.7%で最も高くなりました。この傾向は前年の2023年卒から変わりませんが、活動期間の平均は7.87カ月となり、23年卒の8.36カ月と比べて半月程度、短期化しています。

 政府主導の就活スケジュールでは3月に情報解禁、6月に選考解禁となっていますが、昨今は日系の大手企業も選考の内定出しを6月より早めるところも出てきているようです。大手企業の結果を待って就活を終えたいと思う学生にとって、活動を早めに終える要因になっているのかもしれません。

 次に、25年卒学生の就職活動の早期化傾向を、25年卒学生の活動実施率から見てみましょう。25年卒を対象にした7月1日時点の調査結果では「エントリーシートなどの書類を提出した」率も「面接選考(最終面接含む)を受けた」率も3月中が最も高く、それぞれ65.7%と61.1%でした。 1月中に「面接選考を受けた」率は46.5%と前年より4.9ポイント上がっており、2月中も53.6%で2.5ポイント増に。「最終面接を受けた」の活動実施率は、1月中が21.0%で前年より4.5ポイント上がり、2月中は1.8ポイント上がった30.5%でした。1月、2月の実施率がいずれも前年より高まっている点からも、選考フェーズの早期化傾向がうかがえます。

学生にとっては、もはや欠かすことのできない存在に
“採用とインターンシップ”の関係はますます強固に

 次に、25年卒学生のインターンシップ等のキャリア形成支援プログラムへの参加状況も見ていきましょう(24年卒まで、キャリア形成支援プログラムの総称は、インターンシップ・1day仕事体験という名称でしたが、25年卒以降は、インターンシップ等のキャリア形成支援プログラムという名称に変わりました)。

「就職活動TOPIC調査」によると、25年卒学生が3月時点でインターンシップ等のキャリア形成支援プログラムに参加した割合は84.7%、平均参加社数は8.72社でした。参加件数全体におけるプログラム期間の割合は「1日以下」が87.1%と9割近くを占め、5日以上のプログラムへの参加率は3.4%と少数にとどまりますが、学生にとってインターンシップ等のキャリア形成支援プログラムは業界や企業理解を深める重要なプロセスとなっています。