できる営業マンは「砂漠の旅人」に何を売る?「確かに欲しい」と思わせる意外な商品とは写真はイメージです Photo:PIXTA

「Q.砂漠を旅する人向けの店を開くことになりました。何を扱えば儲かると思いますか?」これは今まで、私が研修や講演などで投げかけてきた質問です。さて、この質問で何が分かると思いますか?

※本稿は、河田真誠『売らずに売れる技術』(ワン・パブリッシング)の一部を抜粋・編集したものです。

そもそも人は、なぜ買うのか? 人がものを買う理由

「どうすれば売れるのか」という対話のコツを考える前に、「人はなぜ買うのか」という基本的なことを明確にしておきましょう。なんとなくは理解されているとは思うのですが、ちゃんと言葉にしてみることで、理解が深まります。

 まずは、次の質問に答えてみてください。できれば、ノートなどを用意して、自分の答えを書き出すことを強くオススメします。

――Q.あなたは、どんなときに「買いたい」と思いますか?

 僕の考えをお伝えします。人が何か行動をしたとき、「なぜ、その行動をしたの?」と聞かれたら、答えは二つしかないのです。

 一つは「プラスの気持ちをもっとたくさん得たいから」。プラスとは、楽しい、嬉しい、気持ちいい、ワクワクするなど、本人がプラスだと捉えていること。たとえば、おいしいご飯を食べる、おしゃれな服を着る、映画を観る、遊園地に行く、など。豪華なご飯でなくてもおなかは満たされますし、おしゃれな服でなくても寒さはしのげます。でも、おいしいご飯やおしゃれな服が欲しくなるのは、プラスの気持ちをもっと得たいからです。

 もう一つは「マイナスの気持ちを少なくしたいから」。マイナスとは、痛い、ツラい、悲しい、不便、不自由、不幸、不都合など、本人がマイナスだと捉えていること。たとえば、具合が悪くて病院に行く、電車が混むからタクシーに乗るなどです。積極的ではないけれど、苦しみから逃れるために仕方なくお金を使う感じでしょうか。マイナスをゼロにしていくイメージですね。

 どんな人も「プラスを増やし、マイナスを少なくすること」が幸せになることだと理解していて、常にそれを探しています。

 そして、そのプラスを増やし、マイナスを少なくすることを、自分でできるのであれば、自分で行います。でも、自分ではできないこともあるし、できたとしても、手間がかかる、時間がかかるなどの理由で、「自分ではやりたくない」「自分ではうまくできない」ということもあるでしょう。そこで「お金を払うので誰かに解決してほしい」となるのです。

 たとえば、喉が渇いているとき、近くにきれいな湧き水があるなら、それを飲みますよね。でも、近くに湧き水がなければ、「お金を払って水を買おう」となります。