齋藤氏個人としては
「NE型ロードスターはBEVで」

齋:僕がこのクルマの主査になったのが2019年の5月1日付。そのすぐ後に開催された軽井沢ミーティングに行き、「ここにいる齋藤が、次の開発主査です」と紹介された。そこでファンの方々から一番言われたのが、「絶対に次のロードスターもガソリンにしてね。電動なんかには絶対にしないでね」という事です。本当に多くの人にそう言われました。

F:でしょう。やっぱりそう言うじゃないですか。2019年だから今から5年前ですね。

マツダ ND型ロードスターマツダ ND型ロードスター(広報写真)

齋:それが2年目の20年ミーティングで反電動派は半数になり、3年目の21年ではごく少数派になった。今年のミーティングでは、エンジンじゃなきゃダメという話は誰一人していませんでした。EVをどう料理するか、どうかEVでいいクルマを作って下さいね、という話ばかりです。

F:ほー!それは意外です。でもこれ、将来の商品戦略に関わるかなりセンシティブな話ですよね。書いちゃって大丈夫ですか?

齋:構いません。あくまでもお客様の要望ですから。それに「NEをBEVで」、と言うのは、マツダの公式見解ではなく、あくまでも齋藤個人の意見ですから。そこの部分さえ明確にしていただければ、いま話したことは全て書いてくださって構いません。

F:それにしてもファンの皆さんは、エンジンに対する郷愁がないのかなぁ……?

齋:それはそれで、もちろんありますよ。その証拠に、「NDのファイナルは必ず告知してくれ」と多くの方に言われています。ピュアなガソリンエンジンのロードスターとして、最後のクルマは必ず買って持っておきたいから、という方がたくさんいらっしゃいます。