「頭がいいキャラ」は百害あって一利なし

ここで重要なのは聞き方の工夫です。特に、質問しづらい空気があるのは大抵話し手が偉い人の場合なので、そういった目上の人が不快にならないように確認する必要があります。
この時のコツは、前提として「自分が不勉強で知らないだけで、みんなは知っている」のスタンスで確認をすることです。例えば、「大変不勉強で恐縮ですが、〇〇とは何のことを指しているのでしょうか」という形で確認をします。
加えて、相手の回答については、大袈裟にメモを取るようにしましょう。それだけで相手の発言一つひとつを非常に大事にしていることが演出されます。
以上のような質問の仕方で「わからないときにわからないことを聞ける練習」を何度も繰り返すようにしましょう。これを繰り返すことで、徐々に習慣になって身についていきます。

わからないということを相手に伝えるのは、年を取れば取るほど恥ずかしくて難しくなっていきます。
逆に言えば、「頭がいいキャラ」になってしまうと、こういった時に「わからない」と言えないため、損をする機会が増えてしまうのです。もちろん「頭がいい」に越したことはありませんが、「頭がいいキャラ」の人はこういった時にイメージが崩れてしまうのを恐れて「わからない」と言い出しづらくなる傾向があります。これでは、偉い人とのコミュニケーションが円滑に進まないことは想像しやすいでしょう。こういった人は、たとえ本当に頭がいいとしても、会社において「頭が良いだけの人」になってしまって、気づかぬうちに損をしているのです。

ビジネスパーソンはわからないことの連続です。わからないことを正直に「わからない」と言えることは必要にして重要です。
少しでも若いうちにわからないと言えるようになることで、無駄な会議や無駄な面談を回避できるようにしていきましょう。

(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』の著者による書き下ろし原稿です)