確かに安いけど…
新古車の意外なデメリット

 登録済み未走行車は、その名のとおり登録はされているものの未走行車ですから、状態としては新車と「ほぼ同じ」です。ただし「全く同じ」ではありません。ディーラーで展示車として使われていた時期があれば、人が触ってキズが付くこともあるでしょう。屋外で保管されていれば、雨風の影響などで、ちょっとしたキズが生じる場合もあります。

 また、車検の有効期間は、最初に新車登録が行われた時点からカウントダウンが始まっています。6カ月前に登録された登録済み未走行車を購入した場合は、通常の新車を購入した場合と比べて、6カ月早く車検を受ける必要があるので要注意です。

 EVやPHEVを購入する際、新車であれば「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」(以下:補助金)を受け取れますが、登録済み未走行車は対象外となります。場合によっては、地方自治体が独自に設けている補助金を受けられることもあるようですが、条件を慎重に調べる必要がありそうです。

 人気車種の登録済み未走行車を購入し、安く買えたと喜んでいたら、補助金を使って新車を買った方が安かった――。そんな落とし穴にはまるのは避けたいものです。

 中古車情報サイトなどを見ていると、備考欄などに「ワンオーナー車」と書かれているクルマがあります。これは、その中古車が過去に1度しか登録されていないことを示しています。家族や友人に貸し出して「とっかえひっかえ」運転されていた可能性もありますが、理論上の歴代所有者は1人しか存在しません。そのため、状態が良い車両だと見なされて付加価値がつきます。

 一方、登録済み未走行車は、もともと保管していたディーラーが最初のオーナーと見なされます。そのクルマを買った人は2番目の所有者(セカンドオーナー)です。このため価値が下がってしまい、買い替えなどで手放す際に、思わぬ減額が生じることもあります。

 登録済み未走行車は、装備の面でも不利になることがあります。自分が欲しい装備やボディカラーがそろっている車両ならば問題ありませんが、希望と違うボディカラーのものしか売られていない場合や、欲しい装備が装着されていない場合は「妥協」が必要になります。