「免責額」に「NOC」…
知らないと損する「思わぬ支出」

 思わぬ支出の代表例としては、保険金の「免責額(自己負担額)」が挙げられます。補償対象となる事故を起こした場合、損害額の全てを保険会社が肩代わりするわけではなく、一部は「ドライバーの負担」となる場合があるのです。

 この出費を避けられるのが「免責保証」や「フルサポート」と言われるサービスです。これらを利用すると、本来であればドライバーが負担するべき金額が免除されます。わずかな掛け金を支払うだけで、トラブル時の出費を抑えられるのですから、こうした追加の保険は「よく分からないから不要」と聞き流すのではなく、絶対に加入するべきだと筆者は考えます。

 思わぬ支出は免責額だけではありません。顧客に貸し出したレンタカーが事故を起こした場合は、修理を終えて“復活”するまで、業者側はそのクルマを他の顧客に貸し出すことができません。その修理期間中の休業補償に当たる支払いとして、「ノンオペレーションチャージ(NOC)」というものがあります。

 NOCの金額はレンタカー会社によって多少異なりますが、高ければ数万円に上ることもあります。万が一の際にNOCの負担を免除する補償制度もあるので、こちらも利用した方がよいでしょう。

 ところが、これらの保険にしっかり加入しても、利用者の不手際によって補償が行われないこともあります。レンタカーを借りる際は、店頭でドライバーの免許証を提示・登録しますが、同乗者が運転する可能性がある場合は、その人の免許証も登録する必要があります。免許証を登録していない人(無申告者)が運転して事故を起こすと、保険が無効になる場合があるので要注意です。

 支払い以外の注意点について触れると、レンタカーの燃料は「満タン借り・満タン返却」が基本です。借り出し時には燃料計の針が「F(Full)」まで上がっていることを確認しましょう。もし借りた際に「F」に達していないようなら、係の人にきちんとそのことを伝えて、「満タン返し不要」などの措置を受けられないか交渉してみてください。

 一方で、レンタカーの清掃・点検・整備は、ユーザーではなく会社側が行います。汚損が激しい場合は利用者が費用を負担することもありますが、多少の食べこぼし程度であれば、ペナルティは気にせずに返却して良いでしょう。