係員の清掃が間に合わないと
カーシェアのクルマは汚いことも

 デメリットとしては、カーシェアリングのクルマは「車内が汚い」ことが往々にしてあります。レンタカーは利用者が返却するたびに点検・清掃が行われますが、カーシェアリングは逐一の対応が難しいため、係員がステーションを巡回し、定期的に点検・清掃する仕組みになっています。

 このため、直前の利用者のマナーが悪かった場合は、係員が清掃する前にクルマを借りてしまうと、ゴミや喫煙の形跡が残されている恐れがあります。清潔なクルマを利用したいという方は、自分で用意したウエットシートなどを使ってクリーニングするといいでしょう。こうした事態を想定し、あらかじめ車内にウエットシートが用意されていることもあります。

 それでは最後に、「乗り捨て」「満タン返し」「清掃」以外の点について、レンタカーとカーシェアリングの違いを見ていきましょう。

 レンタカーは用途に合わせてさまざまなクルマが用意されています。場合によっては、高級車に乗ることも可能です。レンタカーを業務利用する際は、「取引先のVIPを急に送迎することになったが、ハイヤーを手配できない」といった際に、レンタカーで高級車を借りるという選択肢もあります。

 一方で、カーシェアリングはコンパクトカーなどの手軽なクルマが中心となっており、「近隣の駐車場で高級車を借りる」といったことは中々できません(個人間カーシェアリングではなく、企業が提供するサービスの場合)。

 順番待ちに関しては、カーシェアリングに分があります。レンタカーは「クルマを借りようとして営業所に行ったら、順番待ちで何分も待たされる」ということがありますので、とにかく時間を有効に使いたい人には不向きな場合があります。急いでいる人にとっては、手続きがネットで完結し、すぐに借り出せるカーシェアリングのほうが便利です。

 また昨今は、レンタカーの営業所の数に対して、カーシェアリングのステーション数のほうが圧倒的に多くなっています。「クルマを借りたい」と思い立ったときに、すぐに利用できる手軽さもカーシェアリングの利点です。