自分が死んだら積み立てた資産はどうなるの?
NISA→NISA口座には引き継げない、iDeCoは現金化

 また、寄せられる相談の中には、「自分が死んだら新NISAやiDeCoで積み立てた資産はどうなってしまうのか」というものもあります。せっかくコツコツと積み上げてきた財産が失われたり、損をしたりすることがないのかという相談です。

 新NISAやiDeCoの資産が残っている人が死亡すると、もちろん相続対象となります。

 新NISA口座に保管してある金融商品は、相続で引き継がれます。相続発生日の時価を基準に一般口座、もしくは特定口座に引き継がれることになります。NISA口座に引き継ぐことはできません。相続税は相続を受けた金額に対してかかります。

 iDeCoの場合、死亡した人の資産は現金化され、遺族は「死亡一時金」としてその資産を受け取ることになります。ただ、受け取りには請求が必要で、これがなければ法務局に供託されてしまうことには注意が必要です。あらかじめ家族にはiDeCoの存在を伝えておきましょう。

 長期にわたって積み立てていれば、相続した人は少なくないお金を手にすることになるでしょう。でも、それは故人が老後生活のために積み上げてきた財産のはずです。相続の際には、そうした故人の思いも共に受け継いでもらいたいものです。