正解:
当期純利益は①100万円、キャッシュフローは②▲100万円

キャッシュフローは▲100万円

 現金がいくら増えたか減ったかだけを見ていけばOK。

 売上で現金が1,000万円入ってきましたが、商品の仕入れや販売管理費で現金が900万円出ていきました。

 ここまでで現金は100万円増えています。

 ところが、期末にパソコンと自動車を現金で購入して現金が200万円出ていきました。

 結局、トータルでキャッシュは100万円の減少です。

会計上の利益は+100万円

 高額の業務用パソコンと自動車購入は設備投資であり、費用ではありません。

 購入代金200万円は損益計算書に出ません。したがって、A社の会計上の利益は+100万円です。

家計簿と企業会計の違い

 家計簿(現金会計)ではパソコンや自動車を買っても、食べ物を買って食べても、どちらも現金支出は同じです。

 企業会計では、

・パソコンや自動車の購入 → 設備投資
・食べ物を買って食べたら → 費用

 と異なる扱いとなります。

損益計算書とキャッシュフロー表を両方見てわかること

 A社は、会計上の利益はプラスでもキャッシュフローはマイナスです。

 手持ちの現金を減らすか、あるいは借金を増やして投資をまかなう必要があります。「攻めの投資」をしていることがわかります。

 もしA社が稼いだ利益の範囲内に投資を抑えれば、会計上の利益もキャッシュフローも両方プラス(黒字)となります。

「稼いだ利益を超える投資をしない」「借金を増やさない」のは、経営の安全運転です。

「攻めの経営か?安全運転か?」キャッシュフローからわかる重要情報です。

(本稿は、『株トレ ファンダメンタルズ編』から抜粋・編集したものです。)