「この株は売り? それとも買い?」投資シミュレーションのようにクイズを解きながら「株で勝つ技術」を身につける『株トレ 世界一楽しい「一問一答」株の教科書』の続編『株トレ ファンダメンタルズ編』が発売した。前作はチャート分析がテーマだったが、今作は企業の業績や財務の読み方を中心とするファンダメンタルズ分析を扱う。著者は、ファンドマネジャー歴25年、2000億円超を運用してTOPIXを大幅に上回る好実績をあげたスペシャリストの窪田真之氏。本書から特別に一部を抜粋して紹介する。

高配当利回り株と高利回り債券、投資して儲かるのはどっち?Photo: Adobe Stock

高配当利回り株への投資は公共株から

 公共株とは、電力・ガス・電鉄・通信など公共サービスを提供する会社の株のことで、ビジネスの安定した高配当利回り株が多数あります。

 電力株は、世界各国で配当利回りの高い公共株の代表ですが、日本は例外です。

 日本の電力株は、非稼働の原発を抱えるコスト負担で財務が悪化し、配当魅力が低下しています。

 日本では、NTTなど通信株が配当利回りの高い公共株として評価できます。

公共株が高配当利回り株となりやすい理由

 ただし、公共株にはあまり成長性がありません。

 公共サービスを独占しているものの、料金が規制されていて、料金の引き上げで高い利益を出すことはできません。

 そのため公共株が成長株として人気化して株価がどんどん上昇していくことはありません。

 とはいえ、ビジネスの安全性・安定性は抜群です。

 赤字を出して財務が悪化すると、公共サービスの提供に支障をきたすので、そうならないように常に一定の利益が確保できるように料金が設定されます。

 その結果、成長株として人気化することはない公共株ですが、公共サービスの独占で収益やキャッシュフローが安定していて、高配当利回り株となりやすいのです。

投資の実力を伸ばす!『株トレ』のクイズに挑戦!

 投資するなら①、②どっち?

① NTT株:予想配当利回り3.4%(2024年5月末)

② 円建て債券:償還まであと1年、予想利回り10%