学校は存続しても少子化のために廃部や休部となった学校もある。2005年選抜に21世紀枠で出場、修徳高を降して初戦を突破した宮城県の一迫商は2020年夏の大会終了後に部員がいなくなり、廃部した。

 この他、単位制・通信制に移行した和歌山県の伊都中央高(旧伊都高)や、近年は連合で参加することの多かった宿毛高は、部は存続しているものの今夏の大会には参加していない。

 また、2003選抜に出場した島根県の隠岐高は、一昨年夏の大会終了後に部員がいなくなって休部したが、昨年春に新入部員が入って再開し今夏の大会にも単独で出場している。こうした綱渡り状態の学校も多い。

 地方大会に出場する学校の総数は、2002年と2003年の4163校をピークに減少に転じ、今年夏の各地の大会に参加した高校は3441校と、21年で700校以上減った。なお、現在では部員不足の高校は他校と連合して出場できる。連合チームは各地にあり、本稿では連合チームも1校としてカウントした。こうした連合は無名の高校ばかりではない。和歌山県では春夏合わせて10回甲子園に出場している新宮高が、今夏は新翔高との連合での参加となった。

 この他にも、釧路商、広尾高、大空高(旧女満別高)、芦別高(以上北海道)、不来方高(岩手県)、福島北高、茨城東高、穂高商(長野県)、有田中央高(和歌山県)、今治南高(愛媛県)、真和志高(沖縄県)といった甲子園経験校も今年は連合チームでの参加となっている。

 その結果、今年の参加校のうち春夏1回でも甲子園に出場したことがあるのは初出場2校を含めて1046校となり、出場率は30.4%である。地方大会参加校の3割超が甲子園に出場したことがある。しかし、これはあくまで平均値。都道府県によって比率は大きく異なっている。高校野球に力を入れているごく一部の学校しか甲子園に出場できない県と、多くの学校が次々と甲子園に出場している県がある。