日本人は世界有数の「不眠族」…あなたは本当に夜型人間?Photo:PIXTA

 毎年、9月3日の「秋の睡眠の日」を挟む前後1週間は、「秋の睡眠健康週間」だ。

 日本人は世界有数の「不眠族」で、その背景には労働者の25%が週50時間以上働いている唯一の国という労働環境がある。

 私生活を圧迫するほど終業時間が遅く、就寝時刻(BP)をどんどん先延ばした揚げ句に睡眠時間が短くなり、半ば強制的、あるいはプライベートな時間を取り戻そうとして、意図的に夜更かしをする「夜型人間」が出来上がってしまうのだ。

 人為的な夜型人間のパターンが定着すると、疲労困憊して判断力が低下しているときほど「休息すべき」という適切な決断ができず、ついBPを先延ばしてしまう。

 先延ばし癖の有無を知るには、

(1)自分が意図していたより、就寝時間が遅くなる

(2)夜、明かりを消さねばならない時間になったら、すぐに消す

(3)寝る時間になっても、他のことをしていることが多い

(4)本当は寝ようと思っているときでも、すぐに他のことに気を取られてしまう

(5)決まった時間に寝ない

(6)決まった就寝時間があり、それを守っている

(7)決まった時間に寝たいと思うが、できない

(8)寝る時間になったら、それまで行っていた活動を容易にやめられる――、について1(ほとんどない)~5(いつもある)の点数で評価してみよう。ただし、(2)、(6)、(8)は点数を反転させること。合計の得点が高いほどBPの先延ばし癖があり、人為的な夜型人間である可能性が高い。ちなみにスコア開発時の平均点は21点±7点だった。

 睡眠という文句なしの健康行動を守れない状況は、健康リテラシーが低下し、疾病リスクが上昇する。改善にはワークライフ・バランスの見直しと、メールの類いは定刻でシャットダウン、寝室にスマホやタブレットを持ち込まないなどの工夫が必要だろう。

 猛暑、残暑、災害級の大雨と気候変動関連の健康リスクを避けられない昨今、睡眠くらいは意識的に手当てをしておきたい。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)