このように、オンライン化によって学生・企業とも費用や移動時間が減少し、出会いのプロセスが効率化されたということがわかります。一方で、『就職白書2022』の調査でも、「金融各社の説明会・選考はオンラインで、他業種で一部対面を経験しましたが、社員や職場を生で見て感じる雰囲気は、オンラインでは得られないものだと思いました」という声があるように、オンラインでは職場の雰囲気や学生の人柄などを伝達・理解することについて限界を感じるなどの課題があるため、学生・企業双方が選考フェーズや目的によってオンライン・対面を使い分けることが大切だと考えます。

3月中~6月中で就職活動にかける時間は
年々減少の「なぜ」?

 25年卒学生は、就職活動にどれくらいの時間を割いているのでしょう。

 就職活動期間中の各月の「学業」「就職活動」「プライベート」時間の割合を見ると、25年卒では、24年卒・23年卒と比べ、3月中~6月中の「就職活動」が占める割合が低くなっています。

 24年卒学生の3月中の就職活動時間は47.8%、4月中は39.5%だったのに対し、25年卒学生の場合、3月中は44.2%、4月中は33.0%となりました。23年卒から経年で見ると、年々、就職活動時間が減少傾向にあり、6月中では、23年卒は24.7%、24年卒は22.5%、24年卒は19.8%と推移しています。

 これらの数字からは、就職活動にかける時間そのものが少なくなっているとも読み取れるでしょう。しかし、背景には就職活動の早期化が影響している可能性が考えられます。

『就職白書2024』では、新卒採用実施または実施予定企業に25年卒採用スケジュールの見通しを聞いています。その結果、内々定・内定出しの開始時期について「卒業年次前年2月まで」に行うという企業は31.7%となり、24年卒の18.9%から大幅に増加しています。対面面接でも、「卒業年次前年2月まで」に開始すると答えた企業は39.4%で、24年卒の26.4%から13ポイント増。Web面接も同様に、13.6ポイント増える結果になっています。