「集中型」から「分散型」への転換

 原子力発電を中心とした電力ネットワークの特徴は、原発で集中的に発電を行い、それを消費地に送り届けるという「集中型の電力システム」である。しかし、より消費地に近い場所で発電を行う「分散型の電力システム」という選択もある。

 分散型の電力システムの典型的な例が、熱と電力の両方を有効に使うコジェネ(コジェネレーション)という発電システムである。ガスなどを燃やして発電をすれば、同時に大量の熱が発生する。電力に加えてこの熱も有効利用しようとするのがコジェネの考え方である。工場でもオフィスでも、熱と電力を同時に利用しようとすれば、発電を利用地の近くで行う必要がある。

 日本は欧州などに比べてコジェネの普及が遅れていると言われる。その理由をきちっと検討したことはないが、一部の専門家の話では、電力会社(一般電気事業者)が発電と送配電と小売を垂直統合的に独占しているので、コジェネの業者の参入が難しいということである。送配電網が中立的かつ透明な仕組みで運営されていれば、コジェネの仕組みも電力の売買を自由に行うことで、より効率的かつ低コストでできるはずだ。

 電源の分散化は、コジェネに限られるわけではない。ガス会社やJXのようなエネルギー会社は、エネファームと呼ばれる燃料電池での発電システムに真剣に取り組んでいる。オフィスや家庭に簡単な発電システムを設置し、そこにガスや水素などのエネルギーを持ち込むことで、利用者に発電をしてもらおうというものだ。

 こうした分散電源の有利な点は、他のさまざまな機器と組み合わせて、より効率的な電力利用が可能になるということだ。燃料電池を太陽光や蓄電池と組み合わせて使える住宅をつくれば、時間によって最も効率的な電力を利用できるようになる。日中は太陽光発電を積極的に利用し、夜間は蓄電池や燃料電池の電気を利用するといった具合である。