多収品種は不味いというのがこれまでの定説ですが、品種改良も進んでいるので、今では多収米だからといって食味が極端に落ちることはなく、700キロ程度の反収(10アールあたりの収量)がとれます。

 これは従来の品種の1.2~1.4倍程度に相当します。このくらいの多収品種だと、栽培が上手な人なら、800~900キロ、気候や降雨など条件が揃えば1反あたり1トン収穫する農家も出てくるでしょう。もっとも肥料もその分多くなります。

 日本がもっと本気になって多収品種を開発すれば、コメの面積あたり収量を今の倍にするくらいは普通にできるはずです。地域によっては年2回コメを作れる地域もありますし、冬には裏作として麦を植えるなどして農地をフル活用すれば、私の予想では現状の技術でも4億人分くらいは作れます。

 もっとも日本は水田が多いため、湿害に弱いことが多い畑作物を作る上では不利で収量も低くなりがちなのですが、条件的に不利な水田に植えても多収が期待できるよう作物の品種改良を進めれば、8億人くらいの食料は賄えると思います。