「財布とカバン」がパンパンになっている人は、「仕事のデスク」も「暮らす部屋」も、余計なモノであふれグチャグチャ
――なるほど、2つ目の特徴、「財布やカバンがパンパン」は、ドキッとするビジネスパーソンは多そうですね。でも、仕事にはつながらない気がしますが。
まず、「財布とカバン」が不要なモノでパンパンになっている人は、「仕事のデスク」も「暮らす部屋」も、余計なモノであふれグチャグチャな傾向があります。
四六時中――不要なモノを抱え、余計なモノに囲まれていると、どうなるか。
モノは大量の情報を保持しているため、余計なモノが手元や視界にあるだけで、(意識せずとも)脳は激しく疲れます。
人間は――体の疲労には敏感ですが――脳の疲労を感知できないと言われています。そして、「脳疲労」が脳のパフォーマンスを下げ、本人が気付かないうちに、勤務中の集中力を奪っているのです。
前回の記事では、「肉体疲労の大半は脳疲労が原因」であることを、お伝えしました。つまり「脳疲労は――脳だけでなく――体のパフォーマンスをも下げる」ということです。
人間の「集中力」は、脳だけでなく体の調子にも比例する
――やはり、「体のパフォーマンス」も重要ということになるのでしょうか?
人間の「集中力」とはやっかいで、脳だけでなく体の調子にも比例しますよね。虫歯がズキズキする時はもちろん、肩がこっているだけで、集中力は激減します。
「精神にせよ頭脳にせよ、それらは結局のところ、等しく僕らの肉体の一部なのです(*1)」
世界でもっとも支持されていて――誰よりも「体と脳のパフォーマンス」にこだわることで有名な――小説家、村上春樹さんのこの言葉に、すべての答えが集約されていますよね。
*1)村上春樹『職業としての小説家』スイッチパブリッシング(2015)