「やりにくさ」の声を上げよう

 今の仕事のスタイルやリズムのやりにくさ、そして自分が活動しやすいリズムを正しく周りに伝えよう。
 
マネージャーとの1on1で、知っておいてほしいこととして伝える程度でもよい。

 または、あなたと同じライフステージに居ると思われる他部署の人と話をして一緒に声を上げるのもよい。
 前述の通り、組織の意思決定者やマジョリティ(大多数の人たち)に悪気はない。自分たちとは異なるライフステージの人たちの気持ちや感覚を知らないだけで、言えばわかってくれる可能性も高い。とにかく言おう。世の中そんなに、わからずやだらけでもないのだ。

自分のスタイルを貫く

 または、何も言わずにあなたのリズムを実行する。
 
周りが朝遅かろうが、夜遅かろうがおかまいなし。朝早めに仕事を開始して、夕方には「お疲れさまでした!」。

 夕方や夜の会議招集についても「子どものお迎えがあるので私は出席できません。後で議事録を共有してください」など主張して流す。就業規則の範囲内で、自分や家族に最適なリズムでの働き方を貫くのだ。

 無理して他のライフステージの人たちの動きに合わせる必要などない。行動によって「私はこういう人です」と示す。それが周囲に対する多様性への理解を促し、組織体質の文化度を上げる最速の道である。

 健全なライフスタイルは心身の健康を促す。それは仕事の成果にも良い影響を及す。周りに合わせなくても、結果を出せばいい。そうすれば、誰もあなたのスタイルに口を挟まないはずだ。なぜなら組織があなたに期待するのは、成果を出すことなのだから。

一歩踏みだす!

 ・「やりにくさ」の声を正しく上げる
 ・何も言わずに、自身に最適なリズムで行動する

(本稿は、書籍『組織の体質を現場から変える100の方法』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です)

沢渡あまね(さわたり・あまね)
作家/企業顧問/ワークスタイル&組織開発/『組織変革Lab』『あいしずHR』『越境学習の聖地・浜松』主宰/あまねキャリア株式会社CEO/株式会社NOKIOO顧問/プロティアン・キャリア協会アンバサダー/DX白書2023有識者委員。日産自動車、NTTデータなどを経て現職。400以上の企業・自治体・官公庁で、働き方改革、組織変革、マネジメント変革の支援・講演および執筆・メディア出演を行う。『チームの生産性をあげる。』(ダイヤモンド社)、『職場の問題地図』(技術評論社)、『「推される部署」になろう』(インプレス)など著書多数。