同じような商品・サービスを扱っているにもかかわらず、楽しそうにラクラクと稼ぐ人がいる一方で、思うように稼げず苦悶にあえぐ人もいる。
その違いは、年齢や経験、持って生まれた才能によって生まれているとは限らない。
稼げない人も、稼げる人と同じように努力はしているだろう。しかし、結果には大きな違いが出る。
その原因は、ほんの一語の違いにあったのだ。
その一語の違いをまとめたのが、この道25年「日本のトップマーケッター」神田昌典氏による、一番やさしい、すぐ使えるコピーライティングバイブル『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』だ。
本書では、たった一語の差で、貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」が公開されている。
今回は本書より一部を抜粋・編集しながら、たった一語で天国と地獄に分断される「怖さ」と、一語変えるだけで大きく現実が変わる「面白さ」を見ていこう。
【貧す人】と【稼ぐ人】の決定的な一語の違い
今回紹介するのは、「ブランド=ファン数の法則」である。
【貧す人】ブランドになるために、カッコいいロゴを
【稼ぐ人】ブランドになるために、多くのファンを
一流クリエイティブ・ディレクターに依頼すると、企業イメージを刷新する戦略やロゴデザインなどのコストはおよそ1億円。
それを、テレビCMをはじめとした広告で一般に普及させていくには、さらに数億~十数億円もの予算がかかることもある。
こんな話を聞くと、小さな会社がブランドをつくるなんて絶対無理だと諦めてしまう。
しかし、ブランドは自然に育っていくもの。
なぜならブランドとは、印象に残るロゴマークでもテレビCMでもなく、ファンの数によってつくられ始めるからだ。
仮に、あなたに100人の熱心なファンがいたとしよう。
彼らは、値引きなしで商品を買ってくれ、あなたが勧めるものは疑いもなく良いものだと信じている。
「ブランド=ファンの数の法則」とは?
つまり、その100人の中では、あなたの会社は既に立派なブランド。
立派なロゴやおしゃれなウェブサイトの有無は関係ない。
毎日行列ができるラーメン店が全国に名だたるブランドになるように、「ブランド=のれん」ではなく、「ブランド=ファンの数」なのだ。
ファンを集めるプロセスは、宗教に似ている。
宗教が信者を集めるために、バイブルを配り、十字架をつくり、教会で儀式を行うように、会社はパンフレットや小冊子を配り、ロゴマークをつくり、安心できる社屋でイベントを開催する。
その結果、顧客同士がつながり合い、コミュニティとなり、さらに仲間に呼びかけ始める。
ロゴよりお金をかけるべきもの
この自然な流れで、会社は強力なブランドになっていくのだ。
このように、ブランドとは、ロゴマークという目に見えるものによって築かれるのではなく、顧客との日々の接触という目に見えない積み重ねによって輝いていく。
だから、事業を営む上で大切なのは、顧客や取引先がどんなコミュニケーションに価値を感じ、どんな活動に信頼を寄せてくれるのか、しっかりと頭に思い描いておくことだ。
【貧す人】は、まず、ロゴマークをデザインしてしまうが、
【稼ぐ人】は、まず、会社への信頼を育てるプロセスをデザインする。
そして集まったコアな顧客のニーズを深く理解した後、求心力のあるシンボルとしてロゴマークをつくるのだ。
ロゴにお金をかける前に、人にお金をかけなければならない理由が、ここにある。
(本稿は『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』の一部を抜粋・編集したものです)