「分解して例示する」

 2つ目の問いかけ手法は分解して例示するです。「この前発表された新プロジェクト、どう思う?」と聞かれても、「いいと思います」としか答えられません。問いかけが漠然としすぎているため、その新プロジェクトのどこに焦点を当てて考えればいいかがわかりません。

 その「新プロジェクト」を評価するにもいろんな側面があります。そこで提供するサービスの内容、価格、対象顧客像、競合優位性などなど、どの側面を「どう思う?」と聞かれているかわかりません。だから答えられないのです。

 なので、分解して問いかけます。

新プロジェクト、どう思う?」ではなく、「新プロジェクト、既存ライバルに勝てると感じる?

 と問いかけてみることで、焦点が絞られ、相手の考えを引き出すことができます。

「将来を例示する」

 最後は、将来を例示するです。考えてみると、ぼくらが「思う」「考える」のは、将来のことです。不安に思うのは、「このままだと、将来こうなっちゃうかもしれない」と考えるからです。商品サービスを高く評価するのは、「これからこんなクライアントやあんなクライアントが買ってくれそう!」と考えるからです。

 なので、「どう思う?」ではなく、

(このままだと)将来的にどんなことが起こると思う?

 と将来に目を向けさせます。そうすることで、メンバーが抱いているイメージを引き出すことができます。

 今回ご紹介した問いかけの方法を用いて、リーダーはメンバーの言葉にできていない考えを言語化してあげましょう。そうすることで、メンバーは自身の考えや感情を認識でき、チームがまとまり仕事も円滑に進めることができます。