コンテンツ産業の国家戦略化
国は関わらないほうがいい?

 コンテンツ産業を国家戦略として育成することについても、賛成とやや賛成の合計で18人(72%)となり、積極的な意見が多くを占めました。

「日本の宝であり、積極的に育成すべき」

「日本はIP産業は親和性があり、得意分野だと感じるから」

「コンテンツは国境を越えて日本の文化や価値観を発信する力があり、観光や製品輸出とも連動して経済全体に大きな利益をもたらす可能性があります。さらに、デジタル技術の進展により、新しい市場の創出や雇用機会の拡大も期待されるため、積極的に支援・育成していくべき分野だと考えます」

「日本は、アニメ、ゲーム、マンガ、映画など、世界的に評価されている独自のコンテンツを持っており、この産業は国際的な競争力を強化するための重要な資産です」

 一方で、「むしろ国が関わらない方が良い」との意見もありました。国は具体的に何をするのか、という疑問も出ました。

「国のバックアップはあってもいいと思いますが、国が関与してうまくいくとは思えないです」

「コンテンツ産業は国が関わらないが故に国際競争力がある作品が生まれている」

「賛成だが、育成対象から大手を除外すること。 要は、大手は投資効率の面から一握りの有名IPを広めるのに適しているが、その前駆となる流行るための対象となる『種』を生み出す存在へ投資するべき」

「賛成だが、国家戦略としてコンテンツの質を高める他の競争的な仕組みが重要。Netflixやディズニーチャンネルのようなサブスクサービスのドラマが地上波より人気があるのは、世界展開を前提として巨額の予算ということもあるが脚本や配役など制作段階からオープンで競争的な環境があるから」

 ここまで、スタートアップ・ベンチャー経営者の意見を紹介しました。仲間の意見を読んでいるうちに感じたのが、今回の総裁選で議論されている政策は、何だかキャッチフレーズ的な側面が強い気がしたことです。

 27日に新総裁(新首相)が決まれば、今後の政策がある程度明確になるでしょう。政策の効果やその副作用を多方面から検討し、より良い効果をもたらす、または副作用を軽減するための詳細を詰めていくことが重要だと痛感しました。

ベンチャー経営者「解雇規制の緩和は当然」「金融所得課税で経済がジリ貧に」、ライドシェアや夫婦別姓は?【自民党総裁戦】Photo:JIJI