SNSをたくさん更新する人ほど「リアルは不幸」!?写真はイメージです Photo:PIXTA

SNSを眺めていると皆がキラキラした生活を謳歌しているように見えるが、「いいね」する数が多い人ほど現実社会で不幸なのだという。事実、スマホにどっぷり浸かった10代の自殺とうつが増えている。そして、そんな悲しきユーザーたちの個人情報を握ったフェイスブックは、新たな金儲けを試みている。本稿はキャサリン・プライス著、笹田もと子訳『スマホ断ち 30日でスマホ依存から抜け出す方法』(KADOKAWA)の一部を抜粋・編集したものです。 

“いいね”をつければつけるほど
私たちの幸福度は下がっていく

 SNSでもっとも懸念されるのは、現実世界の人間関係に影響を及ぼしている点――それにより、メンタルヘルスが脅かされている点だ。

 SNSユーザーの大半は、人とのつながりを感じたいという思いから登録しているのだろうが、じつはSNSの使用時間が増えるほど、幸福感が減少することが多くの研究で示唆されている。2017年、アメリカ疫学ジャーナルは一定期間継続して特定の人々を観察することで、SNSが実際に人を不幸にするのか、不幸な人がSNSに引きつけられるのかを判断しようとした。

 その結果、SNSと不幸感にはたしかに相関関係があることが確認された。ハーバード・ビジネス・レビュー誌に掲載された報告によれば、「“いいね”をつける、リンクをクリックするというどちらの行為でも、自己申告による身体的健やかさやメンタルヘルス、人生に対する満足感が、その後低下することを大いに予見できると一貫して確認できた」

 アトランティック誌に掲載された「スマートフォンはひと世代をつぶしたのか」という不穏なタイトルの記事では、心理学者ジーン・トゥエンギが有力な証拠を示しつつ、次のように語っている。「スマートフォンの登場によって10代の若者の生活は、社会的交流の性質からメンタルヘルスまで、あらゆる面で劇的に変化している」(この傾向は若者で顕著だが、他の世代でも影響は同じであるという点も伝えておきたい)