推し活写真はイメージです Photo:PIXTA

自分の好きなモノについて熱く語ったのに、相手との温度感が違ってイマイチ話が盛り上がらなかった……なんて経験はないだろうか。「好き」を言語化するプロである書評家の三宅香帆氏曰く、伝えようとする情報に対する相手のスタンスを知ることが、相手を聞く気にさせるための第一歩なのだとか。昨年出版と同時にSNSを中心に大きな話題をよんだ書籍のハンディ版『「好き」を言語化する技術 推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない』(三宅香帆 著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)より一部抜粋・編集して、推し語りのコツをお届けしよう。

推しのよさを伝えるコツは
自分と相手の距離感の把握にあり

「推しを語る」とひとことで言っても、さまざまな手段があります。

 友達と語り合うこと。配信などで見知らぬ人に向かって発信すること。SNSで短文を書くこと。方法はいろいろありますね。

 ここでは、「誰かに向かってしゃべる」方法について考えてみます。友達、家族、知り合い、パートナーなどなど、さまざまな友人知人に推しのよさについて「しゃべる」コツ。

 それは、まず相手がどれくらい自分の推しについて知っているのか、そしてどう思っているのかを把握すること。なにはともあれ、そこから始まります。

 相手はどの程度、推しの存在を知っているのか?テレビで見たことのある程度?名前すらまったく聞いたことがない?なんらかのイメージを持っているのか?

 また、もし同じ推しが好きな人だったら、どれくらいの熱量で好きなのか?自分と同じくらい好きなのか?どんなふうに推しを見ているんだろう?どんなスタンスで好きなんだろう?など、まずは話をする相手について知ることが大切です。

 そもそも「発信」とは、自分と相手との距離をつかむことから始まります。これは、推しについて語る機会だけに限りません。面接だろうと、プレゼンだろうと、YouTubeだろうと、講演だろうと、すべて同じです。