なんらかの情報を、誰かに手渡そうとすること。つまりは「発信」――それらはすべて、相手との距離をつかむところから始まります。

“送信”を押す前に知っておきたい
情報発信の2つのポイントとは?

 相手との距離とはなにか。

 それは「自分と相手はどれくらい遠い場所にいるのか?」ということです。

 誤解しないでほしいのですが、ここでいう「距離」とは、関係性のことではなく、「発信する内容についての事前の情報量の差異」のことです。

 抽象的な言い方で、伝わりづらいかもしれません。具体的に書きましょう。

 たとえば、好きなご飯屋さんについて話したいとします。

 私はパクチーが好きなので、“パクチーを使ったエスニックのおいしいタイ料理店”について話したいとき、まずは相手との「距離」を測ります。

(1)相手がパクチー嫌いの友人の場合

 普通に「パクチーがおいしいタイ料理店があってさぁ」なんて始めても、「えー、私パクチー嫌い!あんなのどこがおいしいの」と言われる可能性が高いです。

 でも、あなたが事前に、友人はパクチー嫌いだと認識しておけば、「ねえねえ、たしかパクチー嫌いだと思うんだけどさぁ。私パクチー好きじゃん?で、こないだ感動するお店見つけたのよ。いや、きみは行かないと思うけどさぁ!」と前置きをつくって話しかけることができます。こっちの導入のほうが、相手にとって聞きやすいと思いませんか?