毒親と言われている人たちは、社会的地位とか世間体をものすごく気にする人たちなので、親がこれ以上、子どもに近づこうとすると、警察につかまってしまうかもしれないと思い始めます。訴訟を起こされたら周囲に知られる恐れもあるので、不利益を恐れてそれ以上のことは何もできない親が多いと思います。

 ただ、内容証明郵便が毒親の行動をエスカレートさせることもあり得るので、内容証明郵便を送るタイミングで、事前に警察と相談するなど、万が一のときには必ず警察の協力が得られるように事を慎重に進めています」

 親との関係を断ち切ったのはいいが、問題なのは心の回復だ。G夫さんはその後、親と距離を置くことはできたが、結婚をためってしまうようになってしまったという。後編では、どのようにして心身ともに健康を取り戻し、幸せをつかむようになったのか解説してもらった。

吉田美希さん 法律事務所クロリス代表弁護士
aa弁護士の吉田美希さん


2010年3月慶應義塾大学法科大学院修了後、司法試験合格。司法修習を経て13年1月大手法律事務所で弁護士としての執務を開始。多数の離婚事件を担当、15年5月法律事務所クロリス開設。多くの離婚事件や毒親問題に取り組み、相談件数は今年7月末の時点で800件を超えた。

ホームページ https://chloris-law.com/
note「毒親育ちと断ること」https://note.com/yoshida_miki/