大事なのは親が子どもを観察することです。
そこを他人任せにして、「学校で成績優秀だからこの子はきっと大丈夫」と親が観察を怠ってしまうと、子どもの発達における重要なポイントを見落としてしまう可能性があります。
例えば、家庭で夕食後の食器の片づけはお母さんの役割だったとします。いつもは家族が夕食を食べ終わると、すぐにテキパキと片づけを開始するお母さんが、今日はなかなか立ち上がろうとしません。
成田奈緒子 著
その様子を見ていた子どもは、「お母さん、いつもと様子が違うな。ひょっとして、仕事でトラブルでもあったのかな」と考えます。そこで、自分から黙々と食器の片づけを始めたなら、この子の脳はちゃんと育っていると言えます。
この子はテーブルの上の食器を放置したまま、自分の部屋に行くこともできたはずです。
ただ、明日の朝食までには誰かが片づけなければならないし、疲れ切ったお母さんにやらせるのは申し訳ない。
こうした先の見通しを立て、相手の気持ちを想像し、自ら行動することができるなら、この子の前頭葉は十分に育っています。
こうした頭の良さは学校の成績では測ることができませんが、本当の意味での「賢さ」だと私は思っています。