2.ドバドバ出てくる血を止める方法
西:次に、ケガをしたとき、その場でできて有効なのは止血です。血が勢いよく出続けて止まらなければ血圧低下から死に至りますので、止めなければなりません。
――どのくらい出血するとまずいですか?
西:一般的には全血液量の30%ほどを失うと血圧もさがってきて危険な状態ですが、30%といってもどのくらいなのかイメージしにくいですよね。「1.5リットルくらい」というと、実感しやすいでしょうか。
――そ、それは血の海ですね……。相当な量であることはわかりました。血が止まらないとき、体はどんな状態なんでしょうか。
西:出血すると、まず脈が速くなります。血圧を保とうとするんです。それでも追いつかなくなると血圧が下がります。なんとか血圧をあげようと血管がギュッと縮まります。顔色が悪くなり、体が冷たくなります。やがて脳に血が行かなくなって意識がなくなる……という流れです。出血が続いてこのような症状がでてきたら危険ですよ。
――たとえば料理中に包丁で手を切ったりして血がなかなか止まらないとき、どうやって止血したらいいですか?
西:「圧迫止血」にまさるものはありません。傷口にハンカチなどの布をおし当て、圧迫して血を止めます。布を巻いて縛るのも同じです。しっかり圧迫して勢いを止めることが大事です。そのうえで、大量出血の場合、なかなか血が止まらずコントロールできない場合は救急車を呼んでください。
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