定年前後の決断で、人生の手取りは2000万円以上変わる! マネージャーナリストでもある税理士の板倉京氏が著し、「わかりやすい」「本当に得をした!」と大人気になった書籍が、2024年の制度改正に合わせ改訂&パワーアップ!「知らないと大損する!定年前後のお金の正解 改訂版」として発売されました。本連載では、本書から抜粋して、定年前後に陥りがちな「落とし穴」や知っているだけでトクするポイントを紹介していきます。
加給年金は、繰り下げているともらえない
「夫より年下」で「厚生年金の加入期間が20年以上ある年金をもらっていない(障害年金をもらっていない)」「年収が850万円未満」の妻がいる場合、65歳からもらう夫の年金に「加給年金」が加算されます。
もらえるのは、年間約40万円。届け出をすれば、夫が65歳になった時点から妻が65歳になる時点まで毎年加給年金が夫の年金に加算されます。
夫が65歳になった時点で、未婚の18歳未満の子どもがいる場合もその子が18歳になるまで、所定の障害がある20歳未満の子の場合は20歳になるまで、同じく「加給年金」が加算されます。
夫側の条件は3つ。「厚生年金の加入期間が20年以上」と「年金をもらい始めている(繰り下げしていない)」と「妻、または子との間に生計維持関係がある」こと。前項でも書いたように、繰り下げ受給をしていると、せっかくの「加給年金」がもらえなくなってしまうのです。
もらえなかった分の「加給年金」は消えてなくなってしまいます。
ちなみに、「加給年金」は男女逆転の場合にも当てはまります。かわいい年下夫を持つ、バリキャリ妻も条件が合えば、忘れずに申請してください!
「繰り下げもしたいし、加給年金ももらいたい」時に使える裏ワザ
「長生きには自信があるから、年金を繰り下げ受給しようと思っていた」「65歳からも働いてそこそこの給与をもらうので加給年金までもらったら年金がカットされる」という人には、年金を繰り下げながら「加給年金」をもらえる裏ワザがあります。
それが「老齢基礎年金のみを繰り下げる」という方法です。「加給年金」は、老齢厚生年金さえもらっていれば受給できるので、「老齢基礎年金のみ繰り下げ」すれば、「加給年金」をもらいつつ年金年額も増額できるわけです。
*本記事は「知らないと大損する!定年前後のお金の正解 改訂版」から、抜粋・編集したものです。情報は本書の発売時のものです。