定年で収入が減っても、年金生活になっても…
老後もローン返済が続く人はたくさんいる

 実は、Aさんのように70歳過ぎまで続くローンを抱える人はレアケースではなく、たくさんいる。

 銀行の住宅ローンは、20年くらい前まで「完済年齢は70歳まで」だったのが、いつのまにかどこの銀行も「80歳まで」に変更になった。同じ頃、変動型の適用金利は1%前後まで下がった。

「長い返済期間」を「金利の低い変動金利」で借りられるようになり、70歳過ぎまでのローンを組む人が急増した。

「80歳までのローン」を組めるようになった当時、メガバンクに住宅ローンの取材に行った際、商品開発担当者が「20~30年後には、年金生活になってローン返済が困難になる人がいっぱい出てくるんでしょうね」と言っていたのを忘れない。自分たちで80歳完済にしておいて、それを言うのかい!と思ったが、さすがに心の中にしまっておいた。

ちょこちょこ繰り上げ返済はしないのが得策
FPおすすめ!「2つの返済プラン」

 では、Aさんのように年金生活以降もローン返済が続く人はどうしたらいいのか。

 マイホームを購入したときに言われた「少しずつ繰り上げ返済」が頭に残っているかもしれないが、ちょこちょこ繰り上げ返済は得策ではない。その前にやることがある。

 また、「退職金でローンを一括返済」もやめておこう。退職金は年金収入を補完するための大切な老後資金となるため、ローン完済にまとまった金額を使うのはリスクが高いプランと認識したい。

 お勧めプランは次のようなものだ。