その3曲とは、以下の通りだ。

●「ボクサー」サイモンとガーファンクル(1969年)
●「メロディ・フェア」ビージーズ(1969年)
●「組曲:青い眼のジュディ」クロスビー、スティルス&ナッシュ(CSN、1969年)

 サイモンとガーファンクルは2人、ビージーズはギブ3兄弟で、2声、3声のハーモニーが魅力的なグループである。曲想はフォークロックやウエスタン調で、美しい3和音のサウンドはクラシックの合唱風でもある。

 アルフィーの原点は、3曲がリリースされた1969年の中学生の頃にあったと想像できる。1969年は伝説の「ウッドストック・フェスティバル」の年で、若者のカウンターカルチャーが花開き、ヒッピーにマリファナが蔓延(まんえん)し、ベトナム反戦運動や学生運動が世界を席巻し、ロックバンドが無数に生まれた時期である。

 アルフィーよりも数歳、年上の日本の3人グループにGARO(ガロ)がいた。ガロは「学生街の喫茶店」(1972)が大ヒットし、甘い歌声のフォークグループの印象が強いが、CSNの「組曲:青い眼のジュディ」をカバーし、3声のコーラスを駆使する高度な技術を持っていた。アルフィーはガロを慕って同じ事務所に所属していた。

 ここまで登場したアーティストを年齢順に並べてみるとこうなる。

サイモンとガーファンクル
●ポール・サイモン(1941~)
●アート・ガーファンクル(1941~)

クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング
「青い眼のジュディ」は3人、ニール・ヤングが入ったり出たりを繰り返しているので、ここでは4人とする。
●デヴィッド・クロスビー(1941~2023)
●スティーヴン・スティルス(1945~)
●グラハム・ナッシュ(1942~)
●ニール・ヤング(1945~)

ビージーズ
●バリー・ギブ(1946~)
●ロビン・ギブ(1949~2012)
●モーリス・ギブ(1949~2003)

ガロ
●大野真澄(1949~)
●日高富明(1950~86)
●堀内護(1949~2014)