他にバランスが欠如している事例としては、ローパフォーマーに対しては厳しく叱り、ハイパフォーマーに対して甘い言動になる上司がいます。
「数字が良いハイパフォーマーは会議に遅刻しても叱らないのに、成績不振のローパフォーマーが遅刻したら叱る」などのダブルスタンダードが続くと、当事者だけでなく組織全体のモラルが失われ、「うちの上司は結果しか見ない」「結果が出せなければどんな行動も無駄」「結果を出せば何をしても許される」というメッセージが蔓延します。
「ローパフォーマーでも良い行動はほめる」「ハイパフォーマーでも良くない行動は指摘する」ことが重要です。
ローパフォーマーであっても、会社の期待に応える意識や行動に対しては、どんどんポジティブなフィードバックを与えるべきです。それが、必要なときにネガティブフィードバックが効果を発揮する信頼関係の土壌になります。
つまり、「効果的な叱り方」と「効果的なほめ方」は連動しているということです。間違った叱り方だけでなく間違ったほめ方をすると、部下の自己認識を誤ったものにする可能性があるだけでなく、部下の成長が止まってしまう恐れもあります。