フィードバックは、組織全体の雰囲気を左右する重要な要素だ。特に厳しいフィードバックでは部下の心理を理解し、適切に対処することが求められる。部下が納得せず、抵抗してきたとき、優秀なリーダーはどのように振る舞うべきなのか?※本稿は、難波 猛『ネガティブフィードバック 「言いにくいこと」を相手にきちんと伝える技術』(アスコム)の一部を抜粋・編集したものです。
部下の成長を引き出す!
デキる上司のほめ方指南
フィードバックには、ネガティブなものだけでなく、ポジティブなものもあります。
ポジティブなフィードバックとは、「ほめる」、「認める」、「注目する」「感謝する」などです。原則論として、「ネガティブよりポジティブなフィードバックのほうが肯定的で持続的な影響は大きい」点は理解しておきましょう。この記事ではネガティブフィードバックに注目していますが、日常のマネジメントではポジティブなフィードバックを惜しまず提供することをお勧めします。
ネガティブフィードバックには、今やっている(望ましくない)行動を変えていく効果がありますが、ポジティブフィードバックには、逆に、今やっている(望ましい)行動をさらに強化する効果があります。
人にはマズローの5段階欲求でいう「承認欲求」があるため、他者からほめられたり、認められたりすると、その行動をくり返したくなる性質があります。脳科学的な表現をすると、快楽ホルモンである「ドーパミン」が分泌されるので気持ちよくなり、再度欲しくて同じ行動をくり返します。