面接ではおなじみの質問で
「モンスター」を見破れることも

 モンスター社員を見破る手法の一つ目は、極めてシンプル。面接の質疑応答で「転職理由」を聞けばよいのです。その受け答えを通して、モンスター社員の特徴である「他責傾向」や「過剰な権利意識」が見えてくるようであれば、採用は見送るべきだと言えます。

 たとえば、どれだけ爽やかかつ丁寧に受け答えをしていても、「前職で○○がうまくいかなかったのは○○のせい。自分は悪くない。だから転職したい」といった本音が出てしまう人がいます。

 そうした人は、「自分の○○が至らなかったので、○○を改善した」「その経験を生かして、御社では○○に取り組みたい」といった話ができる人と比べると、他責傾向が強いのは一目瞭然です。

 また、権利意識が過剰で「なかなか休ませてもらえず、労働者の権利が侵害されているから転職したい」といった趣旨の発言をする人にも要注意です。

 本当に労働環境に問題がある可能性もありますが、もしかすると繁忙期でも周囲に一切配慮せず、自分に課せられたタスクが終わらないまま、定時退社や有給取得を繰り返そうとするモンスター社員かもしれません。上司から「もう少し頑張ろうよ」とたしなめられただけで「ハラスメントだ!訴えるぞ!」と主張する恐れもありそうです。

 このように、正当な範囲を逸脱してまで権利を主張してくる人は、不毛なもめ事を起こす懸念があります。これらの質疑応答を通じて、先方とじっくり話す中で「匂う」と感じたら、根掘り葉掘り質問を重ねていきましょう。

 そこでの話に矛盾があったり、つじつまの合わない発言があったりしたら、モンスターの可能性大です。このセンサーが働くかどうかが面接官の腕の見せ所であり、面接をする側にも高い質問力や観察力が求められます。