正気じゃないけれど……奥深い文豪たちの生き様。42人の文豪が教えてくれる“究極の人間論”。芥川龍之介、夏目漱石、太宰治、川端康成、三島由紀夫、与謝野晶子……誰もが知る文豪だけど、その作品を教科書以外で読んだことがある人は、意外と少ないかもしれない。「あ、夏目漱石ね」なんて、読んだことがあるふりをしながらも、実は読んだことがないし、ざっくりとしたあらすじさえ語れない。そんな人に向けて、文芸評論に人生を捧げてきた「文豪」のスペシャリストが贈る、文学が一気に身近になる書『ビジネスエリートのための 教養としての文豪』(ダイヤモンド社)。【性】【病気】【お金】【酒】【戦争】【死】をテーマに、文豪たちの知られざる“驚きの素顔”がわかる。文豪42人のヘンで、エロくて、ダメだから、奥深い“やたら刺激的な生き様”を一挙公開!
「文豪」と聞いて
どんなことをイメージしますか?
「文豪の作品はなんとなく難しそう」
「知らない語彙が出てきて調べるのが面倒だ」
「読んでも何を伝えたいのか、よくわからない」
――「文豪」という言葉には、どうしてもこうしたとっつきにくそうなイメージがつきまといます。
文豪の作品を読んだことがある?
学校の教科書にも掲載されている文豪の作品にチャレンジして、挫折した経験があるかもしれません。
会社勤めの人なら、上司や取引先との飲み会で教養あふれる知的な話題が上がっても、話にのれず困ったことはないでしょうか。
場合によっては「ちょっといいところを見せてやりたかったのに」と苦い思いをしたこともあるかもしれません。
フロー型情報だけでなく
ストック型情報にもふれておきたい
ならば、スマホを片手にYouTubeやX、TikTokなどの一時的なフロー型情報を見るだけでなく、文豪作品のようにずっと読み継がれているストック型情報にもふれておきたいところです。
拙著『ビジネスエリートのための 教養としての文豪』(ダイヤモンド社)で紹介している文豪たちの作品には、短編も多く、実は時間をかけずに読めるものもたくさんあります。
そうしたことを知らず、文豪作品に一歩踏み出せていない人は多いのではないでしょうか。
「どんな人が書いたか」を知れば
文学は一気に面白くなる!
そんな人にオススメなのが、作品を読む前に、「どんな人が書いたか」を知ることです。
文豪というと、聖人君子のような人格者を想像するかもしれませんが、実はそうでもありません。
社会的なエリートもいれば、お金持ちの家に生まれ育った人もいますが、お金や異性との色恋に失敗したり、酒を飲んでは喧嘩ばかりしたりと、いわゆる“ダメ人間”だからこそ、興味深い名作を書き残した人も少なくありません。
わからない部分は流せばいい
そうした文豪それぞれの人柄に触れることによって、自然と文豪作品に惹かれるようになるでしょう。
夏目漱石や森鷗外といった文豪は、いまから100年以上前の時代を生きました。彼らの作品は、同じく100年以上前に生きた人たちに向けて書いたものですから、ちんぷんかんぷんな部分があっても当然です。
また、口語体が主流のいまからすれば、当時の文語体は読みにくいと感じて当然でしょう。
作者の人柄を知ってほしい
そうした古い時代の文豪の作品を読むときには、まずは夏目漱石や森鷗外など、作者の人柄を知ってほしいのです。すると、その作品への興味が一気に深まります。
昔の人と異文化交流するような感覚で、文豪たちの人柄に触れていただきたい。また、そのような前提があれば、名作の理解が深まりますし、何より作品に対する興味・関心がうんと強くなるはずです。
※本稿は、『ビジネスエリートのための 教養としての文豪』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。