介護保険料滞納者は
毎年1万人以上
厚労省データから、ここ数年介護保険料滞納者の現状が窺える。特に、ペナルティによって1割負担が2割負担となるなど保険給付減額者は、2022年1万1026人、2021年1万1236人、2015年1万883人、2014年1万335人となっている(厚労省「平成26、27、令和3、4年度介護保険事務調査の集計結果」)。
これら1万人以上の人が要介護者となれば、生活保護受給者とならない限り充分な介護サービスを受けることは経済的側面から不可能だ。これらペナルティ対象者の大半は1年間の年金受給額が18万円未満といった者で、生活保護受給者以外の貧困層に多いと考えられる。彼(女)は生活保護受給に対して抵抗感があり、あえて受給申請をせず厳しい生活を送っていると筆者は考える。
そのため、よほどの資産家で介護保険そのものを全く充てにせず、自費で介護生活を送ろうとする稀な高齢者以外は、滞納するということは経済的に余力がないはずである。
なお、もう20年近く前にもなるが、筆者が従事していた時の在宅介護現場で、介護保険料を払わない高齢者がいたことを思い出す。年金保険料も滞納しており、無年金者で、社会保険など全く充てにしていなかった。親の資産を受け継ぎ、自らも自営業者として成功した超富裕層の高齢者であった。