米大統領選、ハリス氏急伸で形勢逆転
選挙人のちょうど過半数確保の見通し!?
2カ月後の11月5日に投票が迫る米大統領選挙は、バイデン大統領の撤退で民主党の候補者となったカマラ・ハリス副大統領(59)が直近の世論調査でも、支持率が接戦州の一部を含めて共和党のトランプ前大統領(78)を上回り、勢いがある。バイデン氏撤退前とは、民主党と共和党の形勢が一気に逆転した形だ。
ただし、支持率の差は僅差で大接戦が予想される。現状で、両陣営の選挙人獲得数を予想すると、激戦州7州のうちペンシルベニアなどの3州をハリス氏が勝利した前提では、ハリス氏が270人、トランプ氏268人で、ハリス氏が過半数ちょうどを確保し、勝利する見通しだ。
トランプ陣営は、無所属で出馬していたものの撤退を表明したロバート・F・ケネディ・ジュニア氏(70)の「支持」を獲得、同氏やテスラCEOのイーロン・マスク氏の閣僚など要職への起用検討を表明するなど、支持層拡大に動いている。
今後、9月10日は、両氏の初のテレビ討論会も予定され、情勢はまだまだ流動的だが、大接戦で懸念されるのは、選挙後だ。
仮にハリス氏が勝利したとしても、トランプ氏が簡単に敗北を認めるとは考えられない。再集計要求が出たり、訴訟に発展したりする可能性も高い。また、選挙人の造反などが起きて過半数を得る候補者が出ない事態も考えられる。混乱は前回2020年選挙の時より長引く可能性がある。