新年の抱負がまさしくそれだ。だれしも経験があるだろう。《今日は元旦だ。昨夜の大晦日は少々飲みすぎた。今年こそは心を入れかえて頑張るぞ――体を鍛える、酒の量を減らす、減量する、貯蓄を増やす、天職を見つける等々。全部一気に取り組むことにしよう》
組織にも同じことがいえる。マネージャークラスは、今年こそ自分のチームに重要業績評価指標(KPI)のロングリストをすべてクリアさせようと意気込む。だが、前述の貯蓄の事例で見たように、一度に複数の難しい目標を達成しようとすると、その効果はしだいに減退していく。人の認知努力は、ひとつの目標達成に使われると、他の目標にまで十分回らなくなってしまうからだ。
言い方を変えよう。多くの場合、問題は目標がないことではなく、多すぎることなのだ。だからこそ、目標のリストを書き出すステップにいま一度戻り、そのなかからひとつだけ選ぶことがきわめて重要なのだ。