不機嫌なときに、あいさつやメールを無視する
20代女性。上司の機嫌を損ねたのか、上司にあいさつやメールをしても無視されることが多く、話しかけてもそっけない態度をとられるようになった。自分が上司の気に障ることをしたのではないかと不安がある。
職場で効率的に仕事を進める上で、円滑なコミュニケーションは必要不可欠です。
とくに上司と部下の意思疎通がうまく図れるかどうかは、仕事の円滑さや効率性に直結しうるものであり、それなりに重要といえます。
そうすると、上司が自身の不機嫌を理由にあいさつを無視したり、メールを無視したりといった行為を繰り返せば、部下の職場環境を現実的に阻害する可能性が否定できないといえそうです。
そのため、あいさつを無視したり、メール連絡を無視したりする行為が露骨に繰り返されれば、やはりパワハラという評価を受けることはありえます。
※『それ、パワハラですよ?』では、パワハラになるかどうかがわかりにくい「グレーゾーン事例」を多数紹介。パワハラから身を守るために、すべての働く人が読んでおきたい1冊。
弁護士法人プラム綜合法律事務所代表、弁護士(第二東京弁護士会 会員)
2006年司法試験(旧試験)合格、2007年東京大学法学部卒業、2008年最高裁判所司法研修所修了、2008年アンダーソン・毛利・友常法律事務所入所、2014年同事務所退所、同年プラム綜合法律事務所設立。主な業務分野は、労務全般の対応(労働事件、労使トラブル、組合対応、規程の作成・整備、各種セミナーの実施、その他企業内の労務リスクの分析と検討)、紛争等の対応(訴訟・労働審判・民事調停等の法的手続及びクレーム・協議、交渉等の非法的手続)、その他企業法務全般の相談など。著書に『それ、パワハラですよ?』(ダイヤモンド社)、『ハラスメントの正しい知識と対応』(ビジネス教育出版社)がある。