タイパを求める消費者から高い支持を集め、日本でQコマースを展開するOniGOは2021年の創業から急成長を遂げており、対象エリアと取扱品数を拡大させています。

 オリエンタルランドが満を持して導入した「ディズニー・プレミアアクセス(DPA)」もタイパに対応したサービスです。お金を払ってでも、短い待ち時間で好きな時間に好きなアトラクションに乗りたいというニーズに対応しています。

究極のタイパ志向サービス
「買い物代行」インスタカート

 アメリカ人の買い物を変えている企業の1つに、Instacart(インスタカート)が挙げられます。今や食料品や生鮮品の買い物はインスタカートが提供するアプリ1つで済ませている、というアメリカ人が増えています。

 インスタカートが提供するのは食品配達サービスですが、その特徴は食料品全般の購入を「複数の小売業から選べる」という点です。同社はコストコやホールフーズ、ターゲットをはじめとする多くの大手小売企業と提携しており、利用者の代わりに「買い物を代行してくれるサービス」として人気を集めています。

 買い物を代行してくれる「ショッパー」と呼ばれる人たちが利用客の代わりに店舗で買い物をしてくれ、自宅まで配達してくれます。1店舗ではなく、さまざまな店舗の商品を購入でき、それが早くて1時間で即日配送されるのですから、自分で買い物するよりも効率が高く、究極のタイパ志向サービスとしてアメリカ人に支持されています。

 インスタカートを運営するメープルベアはユニコーン企業の代表格でした。2023年9月にナスダック市場に上場し、上場日の時価総額は110億ドル(約1.6兆円)に達しました(時事通信社、2023年9月20日)。創業者のアプアバ・メフタはアマゾンなどで実績を積んだエンジニアであり、サービスが便利なだけでなくアプリのUIもすぐれているとして高い評価を得ています。