「オーナー企業大国」の日本において、最強のオーナー企業は――。『ファミリービジネス白書2022年版』のデータを基に、上場オーナー企業「1580社」の直近本決算の「売上高」「営業利益率」「総資産事業利益率(ROA)」「自己資本比率」「流動比率」を偏差値化してランキングを作成した。特集『オーナー企業ランキング2024年版 上場1580社の全序列』の#16は、機械128社の業種別ランキングをお届けする。5位に半導体製造装置を手掛けるディスコ、2位にパチンコ関連のSANKYOが入った。果たして1位は?(ダイヤモンド編集部副編集長 名古屋和希)
ディスコの営業利益率は過去最高の44.2%
機械128社オーナー企業ランキング
営業利益率は四半期ベースで過去最高――。半導体製造装置のディスコが10月17日に公表した2025年3月期中間決算では、24年7~9月期の売上高営業利益率は44.2%となり、四半期ベースで過去最高となった。
24年4~9月期の売上高は前期比41.8%増の1790億円、営業利益は同68.7%増の759億円となり、大幅な増収増益となった。生成AI(人工知能)向けの高性能半導体の需要拡大を受けて、半導体製造装置の出荷が伸びたことが背景にある。
ディスコの前身は1937年に関家三男氏が広島県呉市に設立した砥石業を手掛ける第一製砥所である。77年に商号をディスコに変更し、99年には東京証券取引所第1部に上場した。関家氏の孫である一馬氏が09年から社長を務める。半導体を研磨・切断する装置では世界トップシェアを誇り、時価総額は今年7月には7兆円を突破した。半導体関連銘柄として投資家に極めて人気の高いオーナー企業である。
では、機械メーカーで最強の「オーナー企業」は、果たしてどこか。
ダイヤモンド編集部は『ファミリービジネス白書2022年版』のデータを基に、上場オーナー企業「全1580社」の直近本決算の「売上高」「営業利益率」「総資産事業利益率(ROA)」「自己資本比率」「流動比率」を偏差値化し、ランキングにした。
ランキングには「同族支配度」についても記載している。同族支配度について、本特集#2『「非上場化しやすい」オーナー企業ランキング【キャッシュリッチな全90社】15位乾汽船、2位北野建設、1位は?』で紹介したように、改めて説明しておく。
下表の通り、『ファミリービジネス白書』(白桃書房)を刊行している日本経済大学大学院の後藤俊夫教授らは、オーナー企業つまり同族企業の条件について「経営面」と「所有面」で分析。創業家による関与度によって、6段階に区分した。例えば、創業家から役員を送り出し、さらに筆頭株主であった場合は、同族支配度が最も強い「A」となる。
次ページでは、オーナー企業ランキングの機械128社の業種別ランキングを一挙に公開する。ディスコは5位で、パチンコ関連のSANKYOが2位となった。1位は?