まずは結論を示しておきます。リスクが小さいと投資結果がよくなります。そのため、投資においては、リスクを減らすのが重要となります。

「投資結果がよくなる」とは具体的にどういうことか見てみましょう。次のグラフは、ある2種類の投資商品に投資した場合、40年後にいくらになるか、その予想される評価額(横軸)と、その評価額になる確率(縦軸)の関係を示しています。この2つの商品はリターンは同じですが、リスクが異なります。

図表3同書より転載 拡大画像表示

 一方はインデックスファンド、もう一方は個別株を表します。同じリターンにもかかわらず、リスクが異なるだけで、将来の結果がこんなにも変わります。

 それでは、AとB、どちらがインデックスファンドで、どちらが個別株の将来の起こりうる投資結果を表していると思いますか?

 多くの人は、「個別株のほうが儲かる」という誤ったイメージを持っているのではないでしょうか。より高い利益を得られそうなAが個別株の投資結果、と考えるでしょう。

 しかし、実は逆なのです。正解はAがインデックスファンド、Bが個別株の投資結果を表しています。リスクが小さいインデックスファンドのほうが、より高い利益を得やすいのです。

 リスクがなければ、投資は簡単です。リターンが高いものを買うだけです。しかし、現実の投資にはリスクがあり、そのリスクとどのように付き合うかが重要です。