「ランダムウォーク」という言葉を聞いたことはありますか。難しいことを理解する必要はありませんが、資産運用にとって重要なのは、株価の将来の値動きは、直近の過去の値動きに影響されないということです。

 よく見かける「株価の下落時は買い増しチャンス」「積立初期は株価が下落したほうが嬉しい」といった考えは、「株価が下がると、その分だけ将来上がりやすくなるはず」という期待に基づいているのでしょう。しかし、過去の動きから将来を予測することはできません。

 例えば、ルーレットの赤が3回連続で出たからといって、次に黒が出る確率が高まるわけではありません。同様に、過去の株価の動きが将来の動きに影響することはありません。

 人間は、ランダムな動きにも法則性を見いだそうとする傾向がありますが、株価の動きには確実な法則は存在しません。専門家でさえも、過去の結果から将来を予測することは容易ではなく、「これはわれわれの手に負える問題ではない。ランダムウォークと見なさざるを得ない」という結論に至りました。

資産運用における
「リスク」の意味合いとは

 市場平均は最も投資効率がよい、つまりリターンとリスクのバランスが最も優れています。投資効率とはリターンをリスクで割った値です。

 リターンが大きいほどよいのは直感的に理解できますが、それではリスクが小さいことはなぜ重要なのでしょうか?