「自分に言い訳する時間を与えず、すぐに行動しよう」(石倉)

石倉 小林さん、松田さん、小沼さんはそれぞれ教育の問題に取り組んでいらっしゃいますが、活動が縦割りになってしまっているようにも見えます。教育問題に取り組む方たちの間でコラボレーションすることはあるんでしょうか?

小林 そういった動きはすでに始まっていると思います。人的交流は、かなりさかんになってきているんです。

 たとえば、全寮制のインターナショナルスクールをつくることに対して「そうやって高校生を育てた後、彼らはどこに行くんですか?みんな外国の大学に行ってしまうのでは?」と訊かれることがありますが、日本の大学が9月入学に移行するにはどうすればいいかといったことについて、私も文部科学省からヒアリングを受けることもあります。横断的な動きは出てきていると感じますね。

小沼 NPOの世界はそれぞれの団体が同じ寄付者に協力をお願いすることが多く、競争になってしまうこともあったのですが、最近は「コラボレーションしてもっと市場を大きくしていきましょう」という考え方が出てきていると感じます。

 たとえば松田さんと私も、企業に対して寄付をお願いするという点ではもしかすると活動がバッティングする場合があるかもしれません。しかし私たちはそのようなことはいっさい話さず、悩みを相談したり、一緒に社会を変えていこうと話し合ったりしています。

 ほかのNPOや企業の中にも、仲間がどんどん増えてきました。世の中にうねりをつくりやすい時代になっていると思います。

石倉 会場のみなさんがおわかりのように、この3人はみんな何かを実行する人たちです。考えるだけでなく、行動に移して何かを成し遂げるという志向が非常に強い方々だと思います。

 今日のような講演会を聞くと「私も何かやろう」と思うものですが、2日くらい経つと忘れてしまうというのがよくあるパターンですよね。

ダボス会議で活躍する次世代リーダー、大いに語る!<br />「教育と人材育成でわたしたちが目指すもの」閉演後に控室で記念撮影。彼らのような「行動する人」が、これからの社会を変えていく。

 いろいろと考えだすとできない理由を思いついてしまいますから、自分に言い訳する時間を与えず、すぐ行動に移すことがとても大事だと私は思います。

 この3人のような人たちをサポートするのは、みなさんです。「今日はいい話だったね」で終わってしまっては、この講演会の意味はほとんどなかったことになってしまいます。

 ですからみなさんも、ぜひ行動に移してみてください。


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