さつまいもに多く含まれる
“すごい成分”の健康効果とは?

 ここまで詳しく解説した「血糖値の上昇」を抑える効果が期待される“今が旬のすごい野菜”は、さつまいもです。

 さつまいもは、カリウムやカルシウム、ビタミンC、β-カロテン、ビタミンB群など微量栄養素を多く含んでおり、栄養バランスが非常に良い野菜です。

 食物繊維が豊富に含まれているので、カロリーの割に低GI食品で便秘の予防や改善に役立ちます。さつまいもの皮には、アントシアニン、クロロゲン酸といったポリフェノール、ヤラピンという緩下作用物質、食物繊維を豊富に含みます。

 さつまいもは基本的に低GI値食材ですが、実は焼き芋として長時間加熱すると、てんぷんが麦芽糖に変わることでGI値は上昇してしまいます。

 しかし、焼き芋を冷やすことで事情は変わります。血糖値の上昇を抑制してくれるのです。その理由は、加熱後のでんぷんが焼き芋を冷やすことで一部「レジスタントスターチ」に変わります。レジスタントスターチは、消化されにくいので、血糖値の急上昇を抑える効果があります。

 その結果、GI値も低下してくれるのです。GI値とは食後の血糖値の上昇速度を示す数値のことです。 白米のGI値が約80に対し、さつま芋のGI値は約50と低い数値になっています。さつまいもは炭水化物の一種で、食物繊維も含まれています。 

 食物繊維は血糖値の急激な上昇を防ぎ、糖尿病の管理に役立ちます。さつまいもには抗酸化物質が含まれており、体内の酸化ストレスから細胞を保護し、慢性疾患のリスクを低減する効果が期待されます。

超簡単レシピ!
「冷やしさつまいも」

 朝や昼は活動的に動くことが多く、比較的に多くのカロリーを消費するため、さつまいもを食べるのに適した時間だと言えます。さつまいもに含まれるデンプン質は、ゆっくりと消化・吸収されていく特性があるため、血糖値を緩やかに上昇させます。

 朝食で食物繊維の多いものを摂ることで、午前中の血糖値の上昇を緩やかにする効果があります。冷やしたさつまいもは朝に摂取することを推奨します。

 ご飯やパンの代わりに「冷やしさつまいも」を食べると血糖値の上昇を抑えてくれる効果が期待されます。

 さつまいも1本200gはレンチンしてから冷蔵庫で冷やしておきましょう。コーヒーなどお好みのドリンクと一緒に食べてくだい。卵料理でたんぱく質を補うことで、栄養バランスがさらに良くなります。