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書店が姿を消し続け、物価高も相まって紙の本は冬の時代を迎えた。そんななか、『裏のハローワーク』など異色のベストセラーを連発する、編集者で作家の草下シンヤ氏が、「こういう本が売れる」を説くビジネス書が登場。予算はなくとも、アイディアありきでヒット本を生み出す手法とは?本稿は、草下シンヤ・大泉りか『ヒットを生む技術 小規模出版社の編集者が"大当たり“を連発できる理由』(鉄人社)の一部を抜粋・編集したものです。

売れる可能性のある本は
3種類に分類される

 草下氏が手掛けているのは、一般向けのノンフィクションや実用書、教養系の書籍からコミックスまでと幅広い。例えば辞典や特定の学問分野における文献など、売れずとも存在すること自体に価値がある書籍もあるが、〈商品〉として本を作っているのであれば、やはり売れなくては仕方がない。では売れる本とはどういう本なのか。草下氏はこう分析する。

 本が売れなくなってきて、紙の本がどんどんキツくなっていくなかで、売れる可能性のある本は3種類に分類されます。

 ひとつは著者やキャラクターにファンがついているグッズとしての本。「その人の話が聞きたい」「その人のことを知りたい」と、人の興味をそそるものも、ここに入るかもしれません。

 もうひとつは実用的であることにひたすらに特化した本。具体的にはハウツーや料理のレシピ本なんかがここに当てはまります。

 そして最後は、読んで「めちゃくちゃ面白い!」と思える本。例えば特定の業界の裏話だったり、ゴシップだったりといった好奇心に働きかけるものです。

 昔は「なんとなく面白い」とか「なんとなく役に立ちそう」くらいの感じであっても、みな本を買っていました。