
中澤 穣 著
7月に最高潮に達したMeToo運動の勢いに対して、当局の監視や圧力がさらに強まったことが背景にある。黄雪琴さん(編集部注/中国の女性活動家・フリー記者。国家政権転覆扇動の罪に問われ、2024年6月、広州市の裁判所から懲役5年の実刑判決が言い渡された)も当局からMeToo関連の活動をやめるように求められていたという。
米国拠点のネットメディアによると、ある警察官は黄さんに「MeTooは境外反中国勢力による破壊活動だと認定された。発信者はいずれも国外で長年生活し、標的としたのは中国の長江学者(編集部注/国家最高の学術賞「長江奨学賞」を授与された、国内トップレベルの研究者たち)であり、中国の学術制度を攻撃しようとしたことは明らかだ」と話したという。
2018年前半の一連の告発の中で、体制内の政治家や官僚などが告発を受けることはまれだった。当然、政治家や官僚が清廉潔白であることを示すわけでなく、体制内の権力者を告発する声がさまざまな形で抑えつけられているとみるべきだろう。中国のMeToo運動のひとつの限界ともいえる。