“共有”が目的の会議はムダ
――そういった“ブレスト”と“決着”が会議の本来の目的なのに、実際は……。
木暮:とくに昨今は、“共有”という新しい目的が出てきていますよね。「(念のため)お互いに知っておかなければいけないから」「チームメンバー全員で進めた方がいいから」と。
繰り返しになりますが、それは会議の目的ではありません。会議は発想を拡げるか、決着をさせるか、どちらかの役割しかありません。単なる共有であれば、結果をメールすれば済むはずです。
意味がある会議は「目的が言語化」されている
――一方で、雑談からアイディアが生まれる、みたいなことも言われますけど、会議にそういったメリットはないんでしょうか?
木暮:そういう目的でおこなわれているのであれば良いと思います。最初から発散を目的としていて、「そういう場です」と考えてやるならば。
――この場合は、会議をする目的が明確になっているから良いわけですね。でもそれがないと、本当にダラダラと時間を消費して終わってしまう……。
木暮:サラリーマンをやっていると、会議って普通に「あなたも出てね」と強制的に参加させられるじゃないですか。でももしあなたがフリーランスで働いていたら、「会議をさせてください」と言われたら「何を話すんですか?」と必ず目的を聞きますよね。
フリーランスの人なら会議の意味を当たり前に自覚しているのに、サラリーマンになるとみんな、「ここで会議をやるから空けておいて」と言われると、自分が参加する意味を確認せずに「はい分かりました」と承諾するんですよ。
――フリーランスだと、収入につながらない時間の使い方はしたくないですからね。
木暮:だからまず、「そもそも会議をやる必要はあるか」というところを考えますよね。そのうえで、その会議に必要な時間は1時間なのか、30分なのか、などと考えて必要な時間だけおこなう、という発想です。でも会社では、まず会議ありきです。で、とりあえずあの人も呼んでおこう、みたいな……。
――すべてはリーダーに「目的を言語化して明確にする」という意識一つあれば、防げるムダというわけですね。