人との付き合いで重心を置くのは
「自分を快適にすること」
――インタビュー(2)『「出会いが全然ない。どうしたらいい?」→人気作家の答えが火の玉ストレートだった!』では、「編集者にも、嫌なことは嫌だと言います」とお話しされていましたが、仕事で関わる人とうまくつき合っていくコツって何だと思いますか?
嫌なことといっても、大した話ではないですよ。書店回りがすごく大変だとか、スケジュールが厳しくて、その調整をお願いするくらい。
私は結構、怖いものなしで言っちゃいます。嫌なことは嫌だって。まず、自分を快適にする。それが自分にとっては第一なんです。
でも、これって一般的なビジネスパーソンとしては良くないかも。本音と建前をちゃんとやらないと、仕方ないところもありますよね。だから、「私はこうしています」とは言えても、人に対するアドバイスは言えないです。
その上で、私としてはまず、嘘をつかない。そして、やっぱり本音で対話すること。
――分かったようなふりをしたり、偽りの言葉を口にするのが嫌なんですね。
そうです。偉そうな人を見ると「調子に乗っているな」ってすごく思う。自分はそう思うから、偉そうにしないようにと気をつけています。
「なんとなく、雑に扱われてきた感覚があるんです」と
過去を語りだした真意とは
――インタビュー(3)『ベストセラー作家が爆笑問題・太田光との出会いに「納得できる」と語るワケ』では、「人生は出会いという偶然的な出来事のかたまり」といった話を伺いました。そこで改めて思うのですが、出会いって雑に扱うと長く続きませんよね。それこそ偉そうにしていたらアウトというか。
そうですね。なんとなく、雑に扱われてきた感覚があるんです。だからこそ、自分が雑に扱う側にならないようにって思います。「何か違うな」と思ったら同調しないようにしています。
――雑に扱われてきたというのは?
私はずっと地域ブロガーとして文章を書いていたんですが、全然相手にしてもらえませんでした。でも、『成瀬』がヒットしたら人がたくさん集まってきた。人気が出てきたら持ち上げて、人気がないときはぞんざいに扱う。世の中にはそういう人が存在している、そういうことに対しては憤りを感じていますね。
今も昔も、私がやっているのは同じことなのに、急にころっと変わって声をかけてくるようになった人には、「昔から執筆してたんですけどね……」って思います。だからこそ、昔から変わらず付き合ってくれる人は大事にしています。正直、コラボの話もたくさんいただきますが、全て受けるわけにもいきません。そこは自分が納得できるところだけやっています。
とはいえ、急に寄ってきた人を雑に扱うことはしませんよ。それこそ、「調子に乗っている」「偉そうだ」と思われるじゃないですか。自分がされて嫌なことは、相手にしないようにしています。