学生への追い風が続く26年卒
早期選考への期待と不安も高まる
来年、就職活動を迎える26年卒の採用見通しについては、採用予定人数を「増やす」と回答した企業は8.8%で、「減らす」の1.7%との差は7.1ポイントでした。このことから、採用意欲は引き続き高く推移していくことが予想されます。
では、26年卒学生の現時点での活動について、インターンシップの参加状況を具体的に見ていきましょう。当研究所が行った「26年卒インターンシップ・就職活動準備に関する調査」では、2024年9月時点のインターンシップ等のキャリア形成支援プログラムの参加状況をまとめています。
回答者(大学生887人、大学院生287人)のうち、参加割合は78.8%で、平均参加社数は5.75社でした。参加件数全体における期間の割合は「半日」と「1日」で82.1%を占め、2日以上のプログラムに参加しなかった理由として「インターンシップ参加のための選考に通過しなかった」が増加傾向にあります。プログラム内容は、参加日数にかかわらず、「業種や企業の説明を受ける」が7割以上となっており、企業探索を目的としたインターンシップなどへの参加が多いことが読み取れます。
インターンシップ等のキャリア形成支援プログラムに参加し良かった点を参加期間ごとに調査してみると、「業種について具体的に知ることができた」「仕事内容を具体的に知ることができた」の割合がどの期間でも多く、特に5日以上のプログラムでそれを感じる傾向が高くありました。
インターンシップを通じた早期選考には期待の声もある一方、「インターンシップでの印象が、本選考にも影響するのではないか」などといった不安の声も寄せられています。また、「まだ自分のやりたいことがしっかりと固まっていない状態でも参加してよいのかが不安」という思いを持った学生もいるようです。
中には、「インターンシップに落ちてしまったから採用選考も難しいだろう」という理由で選考を受けるのを諦めようと思うという声もありました。しかし、インターンシップの選考に落ちてしまったからといって、本選考への応募をあきらめる必要はありません。企業を対象にした別の調査では、インターンシップを行う目的として最も多かったのは「仕事を通じて、学生に自社を含め業界・仕事の理解を促進させる」で87.2%と、企業側はインターンシップを企業や業界の理解の場として用意している側面が強いです。そのため、できるだけ多くの学生に参加してもらいたいという想いを持ちながらも、キャパシティの問題で選考をせざるを得なくなっている企業がほとんどです。